写真提供:Apple
Appleは、最高デザイン責任者(CDO)のジョニー・アイブ氏が年内にAppleを退社し、独立したデザイン会社を設立すると発表した。Financial Timesによると、この会社の名称はLoveFromとなる。スティーブ・ジョブズの死後、アイブ氏と彼のデザインはAppleの継続的な成功の鍵とみなされていた。アイブ氏の退社、特にアンジェラ・アーレンツ氏の退社(2019年2月7日の記事「Appleリテール部門最高責任者アンジェラ・アーレンツ氏が4月に退社」参照)に続く今回の退社は、間違いなく世間の注目を集めるだろう。だからこそ、Appleはアイブ氏の新会社の主要顧客の一つになることをいち早く表明したのだ。
アイブ氏は初代iMac、iPod、iPhoneといった画期的な製品のデザインに大きく貢献したが、iPod Hi-Fi、丸型Mac Pro、Magic Mouse 2、初代Apple Pencilといったデザイン上の失敗も彼の在任中に起きた。さらに悪いことに、アイブ氏の下でAppleが薄さに執着したことで、iPhoneからヘッドホンジャックがなくなったこと、多くのMacBookユーザーがドングルを持ち歩かざるを得なくなったこと、そして最も顕著な例としてバタフライキーボードの失敗(2019年5月21日の記事「Apple、MacBook Proを8コアプロセッサとキーボード修正でアップデート(?)」参照)など、不評な技術的決定が相次いだ。Daring Fireballでのジョン・グルーバー氏の論評は、ジョブズ氏亡き後のアイブ氏のデザインの不安定さを反映している。報道によると、アイブ氏は近年、日常業務への関与が薄れており、Appleでの立場に縛られていると感じている可能性が高い。アイブ氏の退任を嘆く人もいるだろうが、これはアップルにとってデザインの新たな方向性を示す絶好の機会と捉えた方が良いだろう。