Apple、ついにiWork.comの苦境を打開

Apple、ついにiWork.comの苦境を打開

先週、AppleはiWork.comのユーザー宛てのメールで、2009年1月のリリース以来3年間、パブリックベータ版から抜け出せずにいたこのコラボレーションサービスが無意味であることをついに認めました。少なくとも、メールのメッセージから私が読み取ったのはそういうことです。AppleのiWork.comに関するマーケティング戦略は、iWorkアプリケーションがiCloud経由でドキュメントを共有できることを考えると、もはやiWork.comは必要ないというものです。


Appleによると、iWork.comにアップロードしたすべての文書は2012年7月31日まではアクセスできるとのことですが、それ以降は完全にアクセスできなくなります。Appleは、これらの文書のコピーをMacにダウンロードするための手順を公開しています。

これは大した損失ではありません。ほとんどの人にとって、全く損失ではありません。iWork.com は、少し強化されたファイル共有サービスに過ぎませんでした。2009年1月のリリース当時、Google Docs や Dropbox といったサービスで可能な範囲を超える革新的な機能は何もなく、2009年9月のアップデートでもごくわずかな変更しか行われませんでした(「iWork.com の機能強化、誰も気にしない?」2009年9月30日の記事参照)。

iCloudがiWork.comに取って代わるというAppleの主張についてはどうでしょうか?これは完全な宣伝です。iCloudのDocuments in the Cloud機能は、現状ではiWork.comが目指していたものとは全く異なります。Documents in the Cloudは、自分のデバイス間で、しかも特定のアプリ内でのみドキュメントを共有できる機能です。さらに悪いことに、AppleがMac版iWorkスイート(Keynote、Pages、Numbers)をアップデートするまでは、これらのプログラムのiOS版とMac版の接続はWebブラウザ経由のみとなります。

Documents in the Cloud は、共同作業ツールではなく、仮想同期ケーブルとして捉える限り、何ら問題はありません。iWork.com は、機能が弱かったとはいえ、Web ベースの手動ファイル共有、共有 iWork ドキュメントへのコメント、チャット形式の継続的なディスカッションといった形で、少なくとも共同作業機能を提供しようとしていました。Documents in the Cloud には、これらの機能はどれも提供されていません。

率直に言えば、Apple はコラボレーションをサポートする方法を理解したことがなく、iCloud やサンドボックスなどのテクノロジーは逆の方向に向かっているようです。

Idfte
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