FBI は Apple との新たな暗号化の戦いに向けて準備を進めているのか?

FBI は Apple との新たな暗号化の戦いに向けて準備を進めているのか?

2015年のサンバーナーディーノ銃乱射事件を受けて、米国連邦捜査局(FBI)はAppleに対し、銃乱射犯の携帯電話の暗号解読を迫り、さらには全てのiPhoneにバックドアを設置するよう要求した(「FBIの暗号化戦争は続く」2015年12月10日参照)。Appleは抵抗し、ティム・クックCEOはそのようなアプローチの欠点について公開書簡を執筆した(「ティム・クックCEOのバックドア批判に関する公開書簡についての考察」2016年2月17日参照)。最終的に、FBIはハッカーを雇ってiPhoneに侵入することでこの事態を収拾した(「FBI、サンバーナーディーノのiPhoneロック解除にハッカーを雇った」2016年4月13日参照)。

FBIが再び動き出したようだ。ワシントン・ポスト紙によると、FBIは2019年12月にフロリダ州ペンサコーラの海軍基地で3人を殺害した男が使用していたiPhoneの暗号を解読するようAppleに圧力をかけているという。Appleは、クラウドストレージから関連データを既に共有しているものの、iPhone上の暗号化されたデータにはアクセスできないと述べている。

Daring Fireballのジョン・グルーバー氏が指摘するように、iPhoneやiPadのセキュアエンクレーブ、そしてMacのT2セキュリティチップのおかげで、Appleは自社製品上のデータを復号する手段を持っていません。そしてもちろん、AppleがFBI用のバックドアを設置したとしても、悪意のある人物によるアクセスを防ぐことは不可能でしょう。グルーバー氏は、FBIはこのことを十分に認識しており、Appleへの要請は、解読不可能な暗号化に対する世論を煽り、政治的にそれを禁止できるようにすることが目的ではないかと考えています。

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