ダグラス・C・エンゲルバート博士が腎不全のため88歳で逝去されました。1950年、エンゲルバートは世界を変えるひらめきを得ました。海軍でレーダーコンソールを操作していた時のように、あるプロジェクトに必要な情報をすべて表示できるディスプレイを備えたコンピューターを思いついたのです。
当時のコンピューターは、部屋全体を覆い尽くすほどの巨大なもので、難解なパンチカードでプログラミングされていました。しかし1968年、エンゲルバートは自身のひらめきから生まれた成果を披露しました。後に「すべてのデモの母」と呼ばれるようになった彼のデモには、インタラクティブなキーボードとマウス、テキスト編集、ハイパーテキスト、ビデオ会議、ウィンドウ操作など、今日私たちが当たり前のように使っている現代コンピューティングの基盤の多くが盛り込まれていました。わずか90
分強で、ダグラス・エンゲルバートは世界を変えたのです。
エンゲルバート博士、心より感謝申し上げます。