通常、メジャーリリース(バージョンの最初の数字が変更されるため、整数リリースと呼ばれることもあります)には、ユーザーをアップグレードに駆り立てるような重要な機能が搭載されます。しかし、Firefox 4.0がインターネットに登場してから3ヶ月も経たないうちにリリースされたFirefox 5.0(2011年4月2日の記事「Firefox 4は改善されたが、劇的な変化ではない」参照)には、そのような目玉となる機能は含まれていません。では、Firefox 5.0に主要な新機能がないのであれば、なぜMozillaはバージョン番号をこれほど大きくしたのでしょうか?
真相はおそらく永遠に明かされないでしょうが、おそらく複数の理由が絡み合っているのでしょう。まず、MicrosoftのInternet Explorerが現在バージョン9であるため、MozillaはFirefoxをより成熟した存在に見せるために、バージョン番号をより早く上げようとした可能性があります。次に、Mozillaは迅速なリリース開発サイクルに移行しましたが、バージョン番号を膨らませる必要があるという本質的な理由は見当たりません。そして最後に、大きな変更点の一つは、FirefoxのDo Not Track機能のサポートがインターフェース上でより目立つようになったことです。バージョン5.0は、
行動追跡を利用してDo Not Trackヘッダーをサポートする広告ネットワークやその他のサイトに対し、Mozillaが圧力をかけるための一つの手段なのかもしれません。(Do Not Trackの詳細については、「CFP 2011:「Do Not Track」論争」(2011年6月14日)をご覧ください。)
Firefox 5.0のリリースノートには、Do Not Trackヘッダー設定の露出度が上がったこと(現在はプライバシーパネル内)を除けば、ほとんどのユーザーが気付くような変更点はほとんど記載されていません。パフォーマンスの向上、CSSアニメーションのサポート、標準規格のサポート強化などが挙げられます。一部のロケールにおけるスペルチェック機能の強化、WebGLコンテンツがクロスドメインテクスチャを読み込めなくなったこと、そしていくつかのセキュリティ問題が修正されたことなどが挙げられます。まあ、以上です。(もちろん、変更点の全リストには1000項目近くありますが、そのほとんどはユーザーには理解できないでしょうし、ましてや
気づかれるはずもありません。)
ということは、バージョン 5.0 ですか? リリース自体には何も問題はなく、私の環境では問題なく動作しているようですが、本当はバージョン 4.1 であるべきだったようです。
Firefox 5.0は、Mozillaのサイトからダウンロードした場合、27.8MBのダウンロードサイズとなりますが、Firefox 4.0.1の「更新を確認」機能(「Firefox」>「Firefoxについて」>「更新を確認」を選択)からダウンロードした場合は、わずか9.2MBです。Firefox 4.0と同様に、5.0はMac OS X 10.5 Leopard以降を搭載し、IntelベースのMacで動作する必要があります。PowerPCベースのMacをお使いの場合は、Firefox 5.0とほぼ同じコードを使用しているTenFourFox 5を入手できます。